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瀬戸内国際芸術祭2010を終えて

2010年11月17日

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瀬戸内海に浮かぶ7つの島々を結び、夏から秋と開催された瀬戸内国際芸術祭2010。 あっという間に過ぎた105日・・・、いえいえ、振り返れば、始まりは、ずーとずーーと前でした。 

 「瀬戸内国際芸術祭との出会いの始まり」 

瀬戸内国際芸術祭2010総合ディレクター北川フラムさんと初めての出会ったのは、5年前の2005年秋。同じくフラムさんが総合ディレクターをされ、瀬戸内国際芸術祭の大先輩となる「大地の芸術祭」についての講演会の依頼に、代官山にあるフラムさんの事務所アートフロントギャラリーを訪ねました。

2005年12月9日  
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サンポートe--とぴあかがわで、北川フラムさん講演会を開催。行政の方や、地域づくりの関係者、一般の方にも呼びかけ、大地の芸術祭を通して地域で起こった出来事についてお話を伺いました。 講演会終了後、有志で交流会を開催。「心が震えた。」「感動した。」など、それぞれに感じたことをフラムさんに伝えました。そして、翌年開催される「大地の芸術祭2006」へ行くことを固く約束。


2006年7月
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  大地の芸術祭2006ツアー実施。お話だけでも感動しましたけれど、やはり行ってみないとわからない。初めての体験に参加者全員大興奮。 ガイドは、「大地の芸術祭」と「瀬戸内国際芸術祭2010」の公式ガイドブックを編集された永峰美佳さんにご案内いただきました。
(〜この年、大地の芸術祭で福武氏がプロジュースされた福武ハウスが誕生。〜 )
(〜北川氏と福武氏で瀬戸内国際芸術祭を構想〜 )

2007年 
永峰美佳さんと直島の空き家を活用して初めてカフェを開いた大塚さんを招いて、トークショーを開催。@umie 

2007年7月6日 
(〜日本政策投資銀行シンポジウム「環瀬戸内連携に向けて」で、北川氏が瀬戸内国際芸術祭開催に向けて言及〜 )

2007年10月26日〜28日 
シブヤ大学と連携し、瀬戸内の島々を教室にアーキペラゴツーリズムを実施。 自分たちが住む足下に目を向ける有志により、各島への冒険が始まります。このツーリズムをきっかけに豊島の廃棄物対策豊島住民会議元議長 砂川三男さんたちとの交流が始まり、多くのことを勉強させていただきました。 
●高松〜男木〜小豆島 
●高松〜豊島〜小豆島 
●高松〜直島〜小豆島


2008年3月14日 
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高松市立美術館講堂で、アーキペラゴ(旧INSかがわ)主催で、北川フラムさんをお招きして講演会「里山(大地の芸術祭)から里海(瀬戸内国際芸術祭)へ」を開催。


 2008年4月 
(〜瀬戸内国際芸術祭実行委員会が設立されます〜)


2008年6月13日 
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再びフラムさんをお招きして講演会&ワークショップ「瀬戸内国際芸術祭に向けて〜瀬戸内宝物探し〜」を開催。フラムさんに講演いただいた後、各島ごとにチームとなりミーティング。大切にしたい島の宝物をフラムさんに紹介しました。
 

2008年10月11日〜13日 
瀬戸内IJUトラベルネットとのコラボによりアーキペラゴツーリズム第2弾開催
●高松〜豊島 
●男木〜小豆島
●高松〜犬島〜小豆島 


2009年3月 
法人の名称を「多島海」という意味を持つ「アーキペラゴ」に改称。 
芸術祭の舞台となる島々でのビーチコーミング&クリンアップ活動開始。


2009年7月・9月
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2009年8月  
瀬戸内国際芸術祭(勝手に)応援事務所を兵庫町商店街空き店舗に設置。
・瀬戸内国際芸術祭PR活動開始 
・地域(島)の産物のPR&販売開始 
・芸術祭に向けて、勉強会やイベントなど開催開始。 
  ガイディング入門講座 
  瀬戸内の考古学者乗松さんによる
  「人々は瀬戸内海と、どう関わってきたのか?」

2009年9月 
豊島で農薬を使わない米ぬか栽培米を作って、おにぎりやクッキーにして芸術祭に来られた方に食べてもらおうPJ開始 。

2009年10月17日 
こえび隊運営協力開始。(こえび隊募集、こえび隊サイト運営、勉強会の開催) 
「こえびひろば」サイト運営開始。 

2009年11月 21日〜23日
アーキペラゴツーリズム第3弾を開催。瀬戸内国際芸術祭2010大島で展開された「やさしい美術プロジェクト」メンバーに協力いただき「名人講座」を開催。この時参加された方が、大島のこえび隊として大活躍されました。 
●大島
名人講座
●豊島〜小豊島
●男木島


2009年11月  

瀬戸内国際芸術祭参加作品 川島猛とドリームフレンズの「想い出玉が集まる家」の運営、「漆の家」の協力開始。 

2009年12月 
こえび新聞発行開始 

2010年1月 
瀬戸内国際芸術祭来訪者と高松の街を結ぶ「高松うみあかりプロジェクト」協力開始。 

2010年2月
 瀬戸内の島・海・アートを応援するネットストア「アーキペラゴ・ストア」の運営開始。島で出会った宝物を、全国の皆さまに届けます。瀬戸内国際芸術祭公式グッズも販売。 

2010年3月 
島の宝物情報リーフ「島日和」発行開始 

2010年6月 
島の宝ものと瀬戸内国際芸術祭を巡るマップ「島日和まっぷ」発行 

2010年7月 
地域の方に協力をいただき、豊島の歴史的宝物片山邸の再生開始。 片山邸のシンボルでもあるれんが造りの煙突から煙りが出たときは感涙。 期間中は、カフェ&宿泊所として、芸術祭に来訪される方をもてなしました。   

2010年7月19日 
高松うみあかりPJに、「こども×芸術士チーム」として参加。 兵庫町商店街に、保育所のこどもたちと芸術士で作った41対ものミニあかりが並びました。 

 会期中は、こえび隊事務局の運営協力にはじまり、川島猛とドリームフレンズの想い出玉が集まる家」&「川島猛とドリームフレンズの学校」の運営。「漆の家」をサポート。

毎朝7時10分から行われた「こえび隊」の朝集会に、ほぼ毎日参加した理事長。 理事&アーキペラゴメンバーも"こえび隊"として芸術祭に参加して各島で活躍。 

暑い暑い夏を乗り越え、瀬戸内国際芸術2010、約93万8000人が来場され、終了しました。 

そして、、
 寂しくなるな、と思う間もなく、想い出玉が集まる家」「漆の家」継続展示が決定。 閉会式から2週間後の再開に向けて日々準備に追われ、現在継続展示中。 

これからもアーキペラゴは、瀬戸内国際芸術祭を応援し、瀬戸内地域の暮らしが心豊かになるよう尽力して参ります。 どうぞ応援してください。活動にご参加いただける方、お気軽にご連絡ください。

川島猛とドリームフレンズの学校

2010年09月01日

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瀬戸内国際芸術祭2010公式プロジェクト「川島猛とドリームフレンズの学校」の企画・運営をアーキペラゴで行っています。 川島猛とドリームフレンズの学校は、先生と生徒が一緒に考える小さな学校です。川島猛さんの友人たちには多彩で面白い専門家が多く、その方たちに先生になっていただき「多島海に学び、未来を考える」ということで行っているもの。とはいえ難しいお話は特になく、まずは、男木島へ渡ってもらい、そこでの体験を通して自分なりに何かを感じてもらおうというものです。

これまで開催された様子は、こちらをご覧ください。

◎田中勝二さんのピンホールワークショップ

◎さとうゆうじさんの瀬戸内露天風呂プロジェクト

そして、今週末4日(土)5日(日)にも開催されます。

この機会に、お気軽に男木島へおこしください。


9月4日(土)は 【男木交流館の秘話】

 男木島に着いたら目に飛び込んでくる白い建物。瀬戸内国際芸術祭参加作品No43ジャウメ・プレンサ氏の「男木島の魂」は、男木島を訪れる方々にとって、なくてはならない場所になっています。今年の春から始まった工事、完成するまでには数々のエピソードが生まれました。建築を担当された齊藤正さんに、語っていただきます。
●日 時/9月4日(土) 
     ?11時00分〜 ?13時00分〜 (各会20分程度)      
●先生: 建築家 齊藤正さん 
●場 所/男木島交流館正面入口前(作品 No.43) 
●参加費/無料 
●参加数/15名程度 
●申 込/開始5分前に会場へお集まりください。


inoue katuyosi100905.jpg  9月5日(日)は、「小豆島とみかんの話」
 男木島の北東の位置する小豆島。男木島の約 100 倍の面積があり、瀬戸内海で最高峰を誇る星ヶ城山をはじめ、緑で覆われた山がいくつもあります。小豆島で3代にわたり、みかんとオリーブの農園を営む井上誠耕園2代目の井上勝由さん。今回はわざわざ小豆島から男木島へ渡って来て頂きました。勝由お父さんに聞く小豆島やみかんのお話には愛情がたっぷりと詰まっていて、だんだんと温かいもので満たされていきます。どうぞ、男木島のドリームカフェで、小豆島とみかんの話をお楽しみください。
●日 時/9月5日(土)  13時30分〜14時      
●先生: 井上誠耕園2代目 井上勝由さん 
●会 場/作品No.46川島猛とドリームフレンズ 
●参加費/無料 
●参加数/15名程度 
●申 込/開始5分前に会場へお集まりください。

【Rrport】多島海ツーリズム 大島

2009年12月16日

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多島海ツーリズム「大島焼き〜山本さんとタイルをつくろう〜」に参加しました。

先生は、中央、紫紺色のジャケット着用の山本隆久さん。76歳です。陶芸を始めて10年になります。独学で陶芸のことを学ばれ、わざわざ、美濃焼や瀬戸焼きの窯元にも見学に行かれたこともあるのですって。
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 まずは、前回、大島を訪問した時に作った器の釜だしです。どんな器になっていることやら。 
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 こちらは、やさしい美術アートディレクターの高橋さんがつくった壷。いい味出てますね。 
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そして、こちらが山本さんが焼いたお皿。渋いです。料理が映えそう。
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 続いて、大島の土探し〜土づくりについて教えていただきます。
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陶芸というと、ろくろを巧みに操りカタチを作り上げていく過程が目に浮かびますが、実は、ここに至るまでの過程のほうが遥かに大変な作業となります。 非常に重労働でもあることから、山本さんも最近では、土を購入することが多くなっていたようです。 

けれども瀬戸内国際芸術祭「やさしい美術プロジェクト」で、島の方たちと一緒にカフェ&ギャラリーをつくることになり、折角なので大島の土でつくった器や内装の中でお茶を楽しんでもらおうということで大島の土作りが久しぶりに復活したのです。 

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「やさしい美術」の井木さんが、今年の夏前から始まった土作りの様子を紹介してくれました。 井木さん、実は絵本作家でもあり、ご自分の作家活動を続けながら、高橋さんとともに名古屋から大島へ通ってきて「やさしい美術プロジェクト」を進められています。 

この日の午前中は、島の野菜づくりの名人の畑で、草抜きの手伝いをされていたそうです。御礼に瑞々しい野菜をたくさん頂いたそうで、夕食は野菜がたっぷり入ったお鍋にしようと、こちらにまで美味しさが伝わってくるような幸せそうな笑顔で答えてくれます。芸術祭では、大島で穫れた食材を出して、来訪された人に楽しんでもらうことができたらな、とも考えているようで、丁寧でやさしい対応ができるカフェにしたいと話してくださいました。 
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 (大島の野菜畑。海を見ながの畑仕事、風が気持ち良さそうです。) 

以前、アートディレクターの高橋さんになぜカフェをつくろうと考えられたのかお聞きしたら、2年ほど大島に通う中、島の人と人が交流できる場所がもっとあったらいいなと感じた。そして、芸術祭で来訪された方が作品を見るだけではなく、大島の方と交流できる場所もほしいと思ったら、自然にカフェ&ギャラリーのイメージが浮かんできたそうです。 やさしい美術の方たちと大島の方たちが考えるカフェ&ギャラリー。ここ大島でしか味わうことができない場所になりそうで今から楽しみです。 


今回の名人講座では、当初、カフェの内装に使うタイルをつくろうという企画だったのですが、折角なのでカフェオレボールを作りましょう。ということになりました。
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嬉しいけれど、いきなり、できるのかしら??と少々不安におもいつつ、まずは、山本さんから土台作りを教わります。この作業がきっちり出来ていないと後々面倒なことになります。

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私が土台づくりをしている間に、一緒に参加した方はどんどん器のカタチに仕上がっていきます。
 
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その見事な手作業に、山本さんも感心されていました。 私といえば、表面を滑らかにしようと水をつけすぎてしまい、カフェオレボールにはならずお皿にするのも難しい状況に。みかねた山本さんが、こういう場合の奥の手を出してきて下さって、なんとかカタチを整えてくださいました。 

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スムーズに作業が進んでいる時は見守り、何かトラブルがあると、これまでの経験から様々な対処方法で解決してくれる山本さん。さすがに大島のこどもたちが名人と呼んだのも頷けますね。

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 今回の作業はサインを入れて終了。 しばらく乾かして来月素焼きを行います。 その時は、また、お邪魔させていただきますので、山本さん、井木さんご指導よろしくお願いします。

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 港で見送ってくださったやさしい美術の皆さま、そして大島の皆さま素敵な時間をありがとうございました。

【Report】多島海ツーリズム豊島・小豊島

2009年11月30日

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瀬戸内の多島海は、11月でもあたたかい。雨雲が風に流され、日差しが海面を照らせば、陸地の姿が見えてくる。左に見えるのは小豊島(おでしま)、右に見えるのは豊島(てしま)、遠く真ん中に見えるのは屋島(やしま)だ。屋島の麓に開けた港・高松から船に乗り、僕らの旅が始まる。

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今回の旅の水先案内人は、地元高松で革新的な活動を続ける栗生さん。島々を渡り歩くなか豊島と出会い、豊島に恋をした彼女は、今、豊島に毎週通う。多島海と恋をする彼女から旅のガイダンスを受けた後、乗船。最初に向かうのは小豊島、高松からの定期航路はない。豊島フェリーさんが用意下さったチャーター船での渡航となった。

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小豊島は、牛の島だ。島の人口の何倍もの頭数の肉牛を飼い、生計を立てて来た人々が暮らしている。島に牛を運び、暮らしを支えて来たのが舟だ。すこし前まで、舟は木で出来ていた。木を加工し、舟を造ってきた舟大工の夫婦が、この島に暮らしている。出迎えてくれた奥さんに案内いただきながら、小さな集落を歩く。軒先の様子から、シンプルで無駄のない、きれいな暮らしがあることがわかる。廃校脇の公民館で、僕らはとびっきりの昼食と、あたたかいお茶をいただいた。

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舟大工の竹内さん、85歳。木の舟を造って来た船小屋も、作業台も、イスも、全て木で出来ていた。ザクロが揺れる工房で、僕らは寡黙な竹内さんが少しずつ語る言葉に耳を傾ける。先代と作った舟の話、木に替わった新素材の話、そして舟の守り神「舟魂さん(ふなだまさん)」話。目の前で舟魂さんを造る竹内さんは無口のままだけど、作業は確実だった。「イッテンチロク、ミヨシミアワセ、トモシアワセ・・・」呪文のようにつぶやきながら、丁寧に舟魂さんを仕上げる。その言葉の意味は何ですかと問えば、「無理すんなってこっちゃ。無理しなきゃ、みんなが幸せってこっちゃ。」と、竹内さん。「お父さんは、ごそごそ仕事するのが好きなん。」と、奥さん。船小屋の中にある使い込まれた道具たちは、出番を待っているように見えた。庭先には、息子さんが採って来たという大きな貝の貝殻が、誇らしげに干してあった。

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豊島に渡った僕らは、栗生さんが港に開いたバール「HITAKI」へ。イチゴ屋さん!と親しまれる島一番のイタリアンシェフがパスタを作ってくれた。小豊島帰りの腹ぺこな僕ら、その目の前に島のオリーブが贅沢に使われた柚子の香りのペペロンチーノ。競うように箸を延ばし、うまいうまいと食べる。冷えたワインが有り難かった。食事の後、ストーブを囲むように皆でイスを並べた部屋で、島の人を囲んで話し込む。島のお祭りの話、結婚の話、葬儀の話、おのろけ話もあったかな。餅つきの時に掛け合いで歌う「祝いの歌」が出てからは、歌合戦。島に伝わる「締めの歌」で、宴はひとたび幕を閉じた。また来たい、また会いたい。そう思ってしまう、この人のあたたかみは何だ。

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旅は2日目、栗生さんの基地「ブワナアユ甲生(こう)別館」での朝。彼女の手料理で朝ご飯。ウニと椎茸のスープの味が忘れられない。支度を済ませ出発、皆で集落を散策、島の旧家「片山邸」へ。荘厳なお屋敷を拝見しながら、この島の歴史に意識が向かって行く。お茶をいただき、この島に似つかわしくないほどの細やかな造形に目をやりながら、かつてこの島を愛し、この島のために矢面に立った人の存在や、この家の主と住民との共同体の存在を感じずにはいられなかった。

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片山邸を後にして、僕らは石井さんの車で豊島の最高峰・壇山に登った。石井さんは、この多島海では知らない人のいない革命家(だと僕は思っている)だが、現在はこの島で「ヤギとハナバタケ社」という観光案内会社を営んでいる。山頂からは、瀬戸内の多島海が箱庭のように見えた。ゆっくりと進む船の存在が、それが絵画ではないことを思い出る。1000年スケールで語られる島の歴史は、日本人の記憶とオーバーラップするようで、脳が揺れる。最高峰は水瓶の役割も果たし、豊かな森を育み、泉が湧き、作物をもたらした。この島は、長い間、生物にとって豊かな島であったのだろう。豊かな島と書いて豊島、ということか。

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壇山から降りて、島のイートイン総菜屋「うらら」へ。「鴨を打って来たらしいから!」と、この日に猟師が射止めた島の鴨を大胆に調理した鴨鍋。雑魚を背開きにし、酢飯を詰めた豊島キュイジーヌ。島の猟師、漁師、ご近所さんとの不断のつながりが、この豊かな食卓に結実しているのだろう。気さくな奥さんがテンポよく料理を説明し、話はご夫婦の馴れ初めにまで。「お父さんがポケットに入れてくの。甘い物が好きだから・・・」大切な干し柿をいただきながら、僕らはまた、あたたかい気持ちになった。

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そして僕らは、近代豊島の震源地へと向う。案内いただいたのは、廃棄物対策豊島住民会議の元議長の砂川さん。砂利道を走り、バスが到着したのは廃棄物投棄現場、現在は処理施設がある島の海岸だ。海を渡って島にもたらされた廃棄物、それとき合って来た島の人たちの半生がここにある。行政主導での処理が始まった今、砂川さんは一歩ひいて様子を見つめる。循環型社会実現に向けたモデル事業とまで謳う処理施設の広報ビデオのことは置いておき、今回僕が初めて知ったのは、施設を紹介してくれる県職員の方が、実は、かつての島の有志の娘さんだと言うことだ。かつて島と行政は争った。そして今、島を代表したメンバーの娘さんが、行政の施策の説明る。背景や立場を背負いながら、それでも中立的に説明する彼女に、僕はビックリした。そこに感じたのは、人間の持つ寛容性であり、歴史の持つ自己治癒力なのかもしれない。世代を超えて怒りや憎しみを持ち越さないことができた時、世界は少しだけ変化するのだろう。心の資料館に場所を移し、砂川さんの言葉を聞く。大きな白い紙には戦友たちの名前が刻まれ、黒い点に見えるは喪章だ。「次は自分の番だ。」という砂川さんは、とてもきれいな顔をしていた。「豊かなふる里、わが手で守る」と書かれたり紙と、イスに腰掛け、当時を語りながら震える砂川さんの手が、僕の中で静かに結びついた。彼らは、この島を守ろうとした。自分のためにではなく、未来の島民のために。 ふる里とは、つくるものだろう。

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産廃投棄現場の隣にある静かな入り江、その海辺に建つヨットハーバー・アモーレ豊島リゾート、3日目の朝。隣の小豊島では、舟大工の竹内さんご夫婦が朝仕事を始めたかもしれない。隣の入り江では、今日も産廃処理施設が稼働する時間だろう。隣にある存在、そのまた隣にある存在。お互いがお互いの存在に配慮しながら、それぞれの思う最善を尽くしている世界が、ここにはあった。多島海というフィールド悠久の時間の流れの中で、人間の営みや自然との共生は、ごくごく自然に育まれ、侵した過ちや、それによって負った傷さえも治癒しながら、緩やかな関係性と共同性がつむがれ続けている。

知らなかったことを一つ知り、まだ知らないことがあることも知る。栗生さんたちに手を振り、僕らはまた、それぞれの旅に向かった。瀬戸内の多島海は、11月でもあたたかい。

(文責/イシクラ)


【Report】小豆島myオリーブ倶楽部 井上誠耕園のオリーブ収穫祭

2009年11月26日

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10月25日、小豆島にある井上誠耕園のオリーブ収穫祭へ行ってきました。今年で3回目の参加となりますが、毎年楽しみにしているコトの一つです。

8:32、高松港を出発。あいにくの空模様です。が、空一面の雲を眺めるものいいものです。
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フェリーで60分、海をゆっくり楽しんで小豆島池田港へ到着。
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小さく見えるのは、池田を象徴するともいえる秋祭りのちょうさ。港の屋根になっています。

会場にはすでに大勢の方が集まっています。
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早速、オリーブの収穫に畑へ向かいます。myオリーブ倶楽部のmyオリーブの樹は、素晴らしく見晴らしの良い場所に植えられていて畑からなだらかに海へと繋がる光景を一望できます。
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手前は2代目が大切にしているみかん畑です。

myオリーブの樹は、すくすくと育ち、たわわに実ったオリーブの樹が迎えてくれます。
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早速、収穫開始。井上誠耕園では、少しでも傷がつくのを防ぐために全て手摘みで収穫します。一粒一粒優しく摘んで、そっと籠に入れていきます。一本の樹全てを収穫するには、一日かかっても難しそう。一時間ほどお手伝いして、会場へと戻ります。
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会場では、高松でケータリングレストランをしている中野シェフのオリーブをたっぷり使った料理が並んでいます。実は、中野シェフの料理が目的で参加している方も多いのです。私もその一人。高松でいただく中野シェフの料理も最高ですが、オリーブ収穫体験後、オリーブの樹に囲まれていただく料理は、ここでしか味わえないものです。
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飲み物もたっぷりと用意されています。中でもおすすめが、絞り立ての蜜柑ジュース。こちらもこの場でしか味わうことが出来ないものですね。
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そして、さきほど収穫したばかりのオリーブをしぼったオリーブ油も頂くことができました。まさにフレッシュ。パンにつけて頂くと、いくらでもお腹の中に入ります。最高です。
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鈴木さんのパエリアも楽しみにしている一つです。
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井上誠耕園さんのオリーブ収穫祭、ここでしか味わえない体験が満載のイベントです。来年も楽しみです。
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右端が2代目。

お天気が心配されましたが、井上園主のお父さんの強い願いがかなってか、雨は落ちてこず、楽しい一日を過ごすことができました。
井上誠耕園さんの皆さん、ありがとうございました。来年も楽しみにしています。