とん とん とん とん ととん
とん とん とん とん ととん
心地よいリズムを、何万回、何十万回と繰り返すことでかたちづくられる
親子孫三代使える打出し銅器。
香川の打出し銅器

香川県伝統工芸の打出し銅器。
そもそも銅は人類が初めて使った金属であると言われており、香川県で打出しの技術が始まったとされる江戸時代には、日本の銅の生産高は世界一の約6,000tを誇っていました。瀬戸内の犬島製錬所、直島三菱マテリアル製錬所も銅を大正時代から精錬していた場所の一つです。江戸時代には銅の固まりを打ち出していましたが、現在は銅板を型に切出し、熱を加え柔らかくした所を打出して作ります。
まちの工芸士、大山柳太さん。
高松港から徒歩20分ほどの扇町。高松市中心部では貴重な戦災を逃れた江戸時代からの町屋の建造物群が残っている町です。この閑静な住宅街にひっそりと大山銅工所はあります。



打出し銅器の伝統工芸士、大山柳太さん2011年現在77歳。

「この仕事に携わって50年以上になります。神戸で技を習得した父親が大正14年に高松で開業した後を継いで私が2代目。打出しを始めたのは、よちよち歩きの頃から、金槌をおもちゃにして育ったものですから。父親から教えてもらってはいないですよ。なんでもお父さんの真似をしたい年頃があるでしょう。私は見よう見まねでづち(金槌)を使っていたんです。」

「たたく事で金属が固くなる。叩いていると金属にも疲労がたまってくるんです。金疲労をおこすと銅も破れてしまう。それを休ませるために焼いて疲れをとってあげる。人と同じですね。そうやって繰り返す事で固く丈夫になっていくんです。ほらこれ、最初の打ち出した時と完成間際のものを触ってみるとよくわかる。」


最初は薄い銅板。
行程の初期段階の銅は手で簡単に折れ曲がってしまうほど柔らかいです。
数えきれないほどの打出し、加熱といった行程を経て厚みのある固い器へとかたちを変えていきます。人の手のみで1枚の銅板が器へと姿を変えていくのは、やはり50年以上かけて培ってきた技術とお父様の代から100年近く受け継がれている技があるからこそ。
「値はしますよ。でも1度使った人から贈答用にと頼まれることが多いです。打出し銅器は金属の中で最も熱伝導に優れているので煮物、焼物に最適です。使えば分かる。」
銅製品の特徴は素早く熱が伝わること。つまり均一に熱が伝わるため玉子焼きなどの薄焼きに向いています。煮物や焼物もすばやく煮えて、片焦げなどしないということです。また、親子孫三代使い続けることのできる丈夫さを併せ持っているのが手作りだからこそ。
銅は扱いやすい金属のため職人さんにお願いすれば壊れた際の修理も可能。そうやって町の職人さんによって修理をしてもらいながら長年使い続ける事で、銅の質感もいい味わいをましてきます。

大山さんが使用しているやかん。緑みを帯びた美しい色合いは、やはり丁寧に使い込んでこそ。

アーキペラゴストアでも販売している玉子焼器の部品。

道具は大山さんが使いやすいようご自分で作ったものも。
受け継がれる技
大山さんは現在体力のことも考えて少しずつ仕事を減らしているそう。
そんな大山さんの技を受け継いでもらえるよう、打出し銅器の教室もご自分の工場で行っています。大人数を教える事はできないので1人ずつ、時間と相談しながらのため、8人までがめいいっぱいなのだそう。
興味のある方は、ぜひアーキペラゴまでご連絡下さい。

12月の教室のカレンダーも大山さん手作り
※大山さんは急須や鍋も作っていらっしゃいます。こちらもご希望がございましたら対応致しますのでご連絡ください。