「小豆島へ」
高松から小豆島へ渡るには、フェリーか高速艇に乗ります。小豆島には、土庄港、池田港、草壁港、福田港の4つの港があって、高松港とつながっているのは、土庄港、池田港、草壁港です。高速艇であれば約30分で行けますが、フェリーで1時間かけて行くほうが、楽しいのです。大きい島、小さい島、いろんな形の島、波に、雲に、空に、風に、瀬戸内の旅は、あきることがありません。

染織家の高木さんの「木の花」に行くには、草壁港が便利。「小豆島」という名前から、小さな島をイメージする人も多いかもしれませんが、実は、瀬戸内海で淡路島の次に2番目に大きい島。西の端にある土庄港に着こうものなら、大変です。

草壁港からは、歩いて10分ほどの、秋には紅葉狩りで賑わう寒霞渓に向かう神懸通沿いにあ場所に、「木の花」は、あります。

空き家を改装して、アトリエとカフェ・ギャラリーになっています。入り口には、オリーブの葉っぱが所狭しと並んでいます。オリーブは、毎年、成長を助けるために剪定をします。大きな枝をばっさりばっさり切り落としていくのです。その落とされた枝や葉を使って、高木さんはオリーブ染めを行っています。

玄関にもオリーブのリース。

アトリエは、柔らかな光で包まれていました。

オリーブ染めと聞いてモスグリーン色を思い浮かべてアトリエを訪ねたところ、そこには淡いピンクやクリーム色などの、それは素敵な素敵な色合いに染められた糸やシルクのストール、コットンのバッグが並んでいました。


全てオリーブで染めた麻布。素敵なグラデーション。

シルクのストール。羽衣のようです。

コットン100%、肌にやさしそう。オリーブで染めた木のビーズが、かわいい。

香川の伝統工芸「保多織」をオリーブで染色。吸湿性抜群です。

オリーブで染めた糸で刺繍をほどこしたボタン。かわいい。

コットン100% のフェイスミトン。オリーブで染めた糸でステッチが入ってます。
高木さんインタビュー
- aps
- 高木さん、こんにちは、よろしくお願いします。
こちらの小物は、全てオリーブで染めたものですか?
- 高木さん
- はい。一種類の樹からこれだけの色が出るなんてオリーブってすごい力があると思いませんか?最初はモスグリーンを染めていましたが、他の色も出してみたいと試行錯誤して、ようやくいろいろな色を出せるようになりました。
- aps
- オリーブで染められたものに囲まれているとだんだん、やさしい気持ちになってきます。微妙な色合いも素敵ですね。
- 高木さん
- オリーブを剪定する季節によっても微妙に染め上がり色が変わるんですよ。春は水分を多く含んでいるので淡い色になるのです。このやさしさを伝える為に、素材も、より自然なものを選んでいます。
高木さんは小豆島福田の出身。神戸の短大で服飾を学び岡山でアパレル会社に勤める中、草木染めと出会い先生について学ぶとともに独学でも勉強してオリーブからこれだけの色を染め上げることができるようになりました。
- aps
- なぜ、いろいろある草木の中でオリーブを選ばれたのですか?
- 高木さん
- それは、やはり小豆島で生まれ、育ったからです。小豆島人であることが誇りなんですね。という私も、高校卒業と同時に島を出て以来、何十年も島を離れていました。数年前に戻って来た時は浦島太郎のようなもの。そんな私を、家族はもちろん高校時代の友人や知人がすごく温かく迎えてくれたのです。
- 家探しに始まり、家の改装、引っ越しなどなど、どれだけの方に支えられたかわかりません。実家の福田から今の家へ引っ越しする時、あまりの荷物の多さに途方にくれていたのですが、島の方が何台もの軽トラを出してくれて運んでくれたのです。数十年も島を離れていた私にこんなに協力してくれるなんて「あぁ、ふるさとって、ありがたいなぁ」としみじみ思いました。
- 息子も娘も大阪にいますが、元気でここに関われる限り、小豆島から離れたくありません。ここでのつながりを大切にしたいのです。そして、温かく迎えてくれた方たちに恩返しをしたいのです。オリーブ染めといえば小豆島と思ってもらえるように、より良いものをつくっていきたいと思っています。
- aps
- 高木さん、小豆島の魅力について教えてください。
- 高木さん
- 食べ物が美味しいこと、自然が美しいこと。ひろがり感、つながり感があること。海はその向こうへつながっているように感じます。そして、海を渡らなければ行けないことが魅力です。
- aps
- 高木さん、ありがとうございました。

高木さんにお会いした帰りにフェリーから見た瀬戸内海。
オリーブのやさしさが、ずーと遠くまでつながっていくようでした。