
オリーブ染めと聞いてモスグリーン色を思い浮かべてアトリエを訪ねたところ、そこには淡いピンクやクリーム色などの、それは素敵な素敵な色合いに染められた糸やシルクのストール、コットンのバッグが並んでいました。
作られているのは高木加奈子さん。アトリエ兼カフェ・ギャラリー「木の花(このはな)」は香川県高松市からフェリーで約1時間の小豆島・草壁港から歩いて10分ほどの寒霞渓に向かう神懸通沿いにあります。
―全てオリーブで染めたものですか?
(高木)はい。一種類の樹からこれだけの色が出るなんてオリーブってすごい力があると思いませんか?最初はモスグリーンを染めていましたが、他の色も出してみたいと試行錯誤して、ようやくいろいろな色を出せるようになりました。
―オリーブで染められたものに囲まれているとやさしい気持ちになれます。微妙な色合いも素敵ですね。
(高木)オリーブを選定する季節によっても微妙に染め上がり色が変わるんですよ。春は水分を多く含んでいるので淡い色になるのです。このやさしさを伝える為に、素材もより自然なものを選んでいます。
~高木さんは小豆島福田の出身。神戸の短大で服飾を学び岡山でアパレル会社に勤める中、草木染めと出会い先生について学ぶとともに独学でも勉強してオリーブからこれだけの色を染め上げることができるようになりました。~
―なぜ、いろいろある草木の中でオリーブを選ばれたのですか?
(高木)それは、やはり小豆島で生まれ、育ったからです。小豆島人であることが誇りなんですね。
という私も、高校卒業と同時に島を出て以来、何十年も島を離れていました。3年前に戻って来た時は浦島太郎のようなもの。そんな私を、家族はもちろん高校時代の友人や知人がすごく温かく迎えてくれたのです。家探しに始まり、家の改装、引っ越しなどなど、どれだけの方に支えられたかわかりません。
実家の福田から今の家へ引っ越しする時、あまりの荷物の多さに途方にくれていたのですが、島の方が何台もの軽トラを出してくれて運んでくれたのです。数十年も島を離れていた私にこんなに協力してくれるなんて「あぁ、ふるさとって、ありがたいなぁ」と しみじみ思いました。
息子も娘も大阪にいますが、元気でここに関われる限り、小豆島から離れたくありません。ここでのつながりを大切にしたいのです。
そして、温かく迎えてくれた方たちに恩返しをしたいのです。オリーブ染めといえば小豆島と思ってもらえるように、より良いものをつくっていきたいと思っています。
―島の魅力は?
(高木)食べ物が美味しいこと、自然が美しいこと。ひろがり感、つながり感があること。海はその向こうへつながっているように感じます。そして、海を渡らなければ行けないことが魅力です。
―高木さん、ありがとうございました。
小豆島の人の温かさと、高木さんの故郷への想いが込められたオリーブで染められた品をお届けします。